拍手のみの方も本当に励みになります。何時も有難うございます。
のろのろマイペース運営ですが頑張りまーす!!!
日記絵のごはんちろりへのコメントのツッコミ絵。
ちろりのご飯粒をどうするかですが、色々と検証した結果案外コレが一番萌えました(笑
クリックすると全身絵です。
えー。ちなみにごはん談義が脳内で白熱したので、口で取るバージョンも描いてみたりしました。なんかエロくなりました、わざとじゃないです。揉んでませんてば!正面から取れば良いじゃないの・・・
8/11の某様
>それにしてもイカ釣り船
おお、早速感想をどうもどうも有難うございます。書きかけで本当に申し訳ない限りですが・・・;
わくわくしますか?そーかなに楽しんでもらおうと思って書いてるものなんで、良かったです(笑
イカ釣り船なんか出す予定は無かったのに、何時の間にかこうなりました;クルツ君の陰謀です;
>明るすぎるからって大量の電球壊さないように
うんうん、意外とキレイでロマンチックかもしれませんね夜とか!!いやアレキレイなんですよほんとは!
でも確かに明るすぎて拳銃乱射して割りまくるかもしれませんね、後、目立ちすぎて狙撃されるとかそういう理由で;
高いんですね、結構;じゃあ軍曹さん頑張ってボン太くん売らないと!!
むにゃむにゃ展開には行かないと思いますが、イカ釣り船で・・・てのもアホっぽくて良いかもですね!(笑
8/12の某様
>はじめまして~
はじめまして、このような僻地のサイトまでわざわざ足を運んでくださり有難うございます!!
嬉しくてすぐさまお返事を返したかったのですが、生憎私情で返信が遅れまして;本当に申し訳ありませんでした;
寧ろ近頃、実はこそこそお邪魔させていただいておりました!!いつかご挨拶したい~・・と思いつつ叶わず今に至っておりました;;
ですので心の底から感激しております!わざわざご挨拶有難うございます!m(__)m
そーかな愛好家様と交流が出来る事をひじょーに嬉しく思います!
>ラブラブ具合とのギャップが~
絵やSSの感想まで丁寧に有難うございます;;
どちらもそーかなへの愛と勢いで書き散らしてますが、そのような勿体無過ぎるお言葉頂けると嬉しくて嬉しくてもう!
特にSSなんてもう未熟の極みですので;そちら様に感想を頂けるとは思っても居ませんでした;有難うございます。励みになります、新米そーかな愛好者(?)ですが頑張りますね。
>リンクを~
きゃあ!本当に本当に有難うございます。報告までしていただいて、お手数をおかけ致しまして;;
色々とお伝えしたいことはございますが、自サイトではなんですから、後日私も遊びに行かせていただきますね!
こちらこそどうぞどうぞ宜しくお願い致します!敬礼!!
>8/15
某様
>カット反対!(笑)
了解です!(笑)
すいません、何時になったら真面目な話になるんだー!!と書いてる自分でヤキモキしだしまして;
ちろりが楽しくてかわゆいのなら全てOKです!いかんと思ってもアップした後書き足したりとかしてしまうんですよね~;
バカップルデート、むふふ!一生懸命バカップルさせます、頑張りますね~。
いやいや、むしろ私は其方様の書かれる様なしっとり大人なドキドキするようなラヴシーンを目指したいところですよ!私には難題ですけど;
某様
>千鳥が激烈可愛いい
げ、激烈!! ステキに表現して下さり有難うございますv
千鳥さんも軍曹さんも可愛くて可愛くてもー如何にはしゃいで貰おうかと!二人に楽しんでもらおう企画なのです(笑)
今回ちろりさんを所々はっちゃけさせ過ぎてんじゃないかとビクビクしてたんですが;良かったです!
ギャグを書くのは好きなんですよ(笑)特にそーかなのコントは書くのも見るのもホントに楽しくて、真面目な文章を書いてたつもりがつい!みたいなノリです;
ギャップが良いと言って頂けると嬉しい&ほっとしました!ついついネタまみれになってしまいそうなので;
>ニキビと足つり
お気遣い有難うございます;;
本来風邪も滅多にひかない健康体なので、ちょっと異常をおこすと騒ぐだけのヤツですので、大丈夫ですよー!
ただ、忙しい時に限り色々やりたくなって睡眠時間を削ると言う手段に出てしまいまして;やはり寝るのが一番ですよね。
近頃食生活もちょっと偏ってるので栄養面も気をつけねばという感じです。相良さん程ではないですが(笑)色々と教えていただき有難うございます!参考に料理やらサプリやら検討してみますね~。
8/17
●某様
>萌えますね<包帯
あははは。いえいえコメント見て笑わせて頂きました。
正直自分でも萌えました!! これは軍曹さんの腕だ!って暗示でもかけようかと思いました(笑
なんとも不謹慎ですが、ああなんて重症っぽいんだろう、ステキホータイステキ・・・ってうっとりですヨ。
>フルメタ軟膏
お医者さんが薬の名前を羅列した時噴出しそうになりました(笑
しかもフルメタ軟膏、フルメタシートとか、色々あるんですよっ!!
フルメタは良く効きますよ~。おかげで今は殆ど治ってます、お気遣い有難うございますね~。
8/18
16時頃の方
>ごはんだよ千鳥~小さい子がわらわらと寄ってきそうです
癒しを求めて何故かああいった千鳥さんをかいてしまいました!(笑
かわいいですか?有難うございます! エプロンお料理千鳥さんは良いですよねv
小さい子がわらわらと寄って来て、その中に軍曹さんも混ざってれば嬉しいです。
そんで大人気なく我先にごはんを貰いに行けば良いと思います!ごはんというかちろりを!
というか、小さい子とお母さんなちろり・・・ステキな光景ですねー癒されますv
>ご飯粒が子供っぽくてまた男心をくすぐりますなあ!
ちろりさんはキレイで可愛いのに、どこかしら完璧じゃないところがステキだなあ~という感じなので、
先にごはんをツマミ食いするくらいが可愛いかな~と。直にしゃもじで!
男心をくすぐられて軍曹さんが滝の様な汗を流しながら取ってくれる事でしょう!(笑
某様
>飯粒グッジョブ~!!
仕事から帰ったら何故か「ちろり~ちろり~、ちろりの笑顔にあいた~い」てなってました(笑)
たった一つの飯粒もちろりのほっぺにくっつければ、バカップルの為の小道具にハヤガワリですよ~!
おお!沢山バカップルの為の案件を有難うございます、素晴らしいです!
全部脳内で繰り広げてみました(笑)いや~楽しかったです
1,「顔についてる」と教える
千鳥さんが真っ赤になって慌てて取ると良いです、軍曹さんはそんな千鳥さんに萌えるが良いですね!
2,教えながら取ってやる
クールに取って、そのまま食べてしまうのも良いかもしれないとか思いました(笑
3,教えたら千鳥に取ってくれと言われる
これ自分的に凄く萌えます(笑)千鳥に要求されちゃうと軍曹さんは焦りそうですね~!
4,教えながら取ろうとしたら千鳥に自分で取られる
ああ哀れな(笑) 「くそっ」とか後で悪態つけば良いですね!
5,教えながら取ろうとしたら千鳥に自分で取られかけて手がぶつかる
ぎゃー! キース!キース!(馬鹿)
6,教えないで取った(口or手)
最初は自分でも口で取らせてやろう!と思ってたんですが、何も言わずさりげなーく手で取ってあげるのがスタンダードでほのぼのしてて結構好きでしたのでコレイチオシで!!
>ブラックラグーン
ブララグは耳にしたことはあるんですが、ちゃんと見たことは無いんですよ~。カッコよい作風ですよね。
主人公の女の人の前髪が、ちろり風でしたっけ?
いえいえ~拍手絵は即席のラクガキですよ~;レヴィさんは勿体無いです!
8/19
18時ごろの方
>このサイトに~よければ作って下さい
えーと結論から申し上げますと、作ります!
ただ、今のとこネタが出来ていないので、もう少しお待ちくださいませ。
絵とかは思い切ったモノは描けないと思うので誤魔化した様なものしか描けないと思いますが;
作るにあたり、需要があるのかどうか悩むところでしたので、参考になります。
貴重なご意見をどうも有難うございます。
マイペース運営で本当に申し訳ありませんが気長にお待ちくださいませ。
20時ごろの方
>愛してます!!
わあ、ひょっとして沢山拍手してくださいましたか?有難うございます。大好きです!!
当サイトの何かしらを気に入って頂けたら嬉しい限りです。
不定期な更新のサイトですけれども、応援を励みに末永くゆるゆると運営できたらと思います。がんばりまーす。
8/20
某様
>ご飯もちろりも美味しそう!
飯もちろりも!もう合言葉ですね!(笑)
ちろりの作ったものなら例え白飯だけでも美味しいに違いないですよ~。
だって笑顔で盛ってくれるんですよ~!
>指先でとるか、それとも直に唇でとるか
どうする俺!ってなって悶々とした挙句指で取るっていうヘタレ路線が浮かんじゃいましたが(笑)
息を吐くように犬的にペロッと舐めちゃえば良いよ、とも思います。
ハリセンでしばくのも忘れてちろりがアタフタするとかわゆいですなあ!
最早ちろりがごはんって感じになって来ましたが(笑
それから航行することおよそ30分。
「あれだ‥‥」
むっつり顔で何も無い海を凝視していた宗介が唐突に口を開いた。
「え‥‥あ、なに?」
魚でも捜していたのか、船のヘリに寄りかかっていたかなめは少し驚いてから宗介の方を振り返る。
「見えた、間も無く上陸する。」
そう言って宗介はその方向を指差した。
彼の無感動な物言いとは裏腹に、そこには何とも感動的な景色が広がっていた。
青い海に突如ぽっかりと浮かんだ岩肌‥‥いや、島だ。
それは島と呼ぶには小さく、植物も見当たらないただの真っ白の岩肌だったが、
浅瀬は青く透明な水に白い岩肌を覗かせ、光の反射が良く映えていた。
そして水深を増すに連れ、水色がエメラルドグリーンに、それからコバルトブルーにグラデーションを作る。
それはさながら、何かの宝石のようだった。
「すごいすごい‥‥! キレイ!! ここまだ日本よね?! すごいっ‥‥!! 外国みたい‥‥」
『アジアのグレートバリアリーフだなんだ!!』 とかなめは見るなり眼を輝かせた。
はしゃいだり、うっとりしたり、表情をクルクルと変えている。
そんな彼女を見て、宗介はただただ満足げに小刻みに頷いていた。
―程なく、船は島の手近な浅瀬近くに碇を下ろした。
かなめはこの絶景にそぐわないイカ釣り漁船とサンダルをさっさと捨て去り、その透き通る浅瀬に裸足を突っ込む!
「あはっ‥‥!! つめたーい!!」
かなめは裸足でチャプチャプと浅瀬を跳ね回るというお約束の行動に出る。
その様子はどこかのグラビアアイドルの様に可憐で、かつ美しい。
「太平洋だからな。 水が熱くては漁業が成り立たん 」
そんなかなめの様子を尻目に宗介は何やら荷物を下ろしながら、身も蓋も無いような台詞を吐き捨てた。
しかしそう言いながらも、ふいに彼はかなめの手をとった。
「‥‥えっ‥‥!!」
突然の出来事にかなめは面食らう。
「気をつけろ、千鳥。 急に陥没している箇所もあるからな、それに人の踏み込んだ痕跡が少ない、裸足で無闇に歩くと怪我をする。」
驚いて見やった彼の表情は何時も通りのムッツリ顔で、物言いも味気無い。
だけど、手と肩とをしっかりと支える彼の手が、暖かくて、ゆっくりとかなめを促す仕草はどこまでも優しかった。
「‥‥そ、それにしても、ここって無人島? ソースケ良く知ってたわよね、こんな小さな島!!」
胸が勝手に早打ちを始めるのを誤魔化したくてかなめは妙に茶化した声で話題をふった。
「以前、上空を通った時に見つけたのだ。 それまでは確か何も無かった筈なのだが、地形変動か何かだろうな」
「なるほど、良く来るのここ?」
そろり、そろりと足元を探りながらかなめと寄り添って歩く宗介に訊ねる。
「俺は何度か来ている。 だが人に話したことは無い。」
「へえ~、何だか秘密基地みたいね。ん~~、いいなこういうの。ワクワクする!」
そう言ってかなめは思わずスキップしそうになるところを、慌てて宗介が止めた。
「ワクワク‥‥楽しいのか?」
「そうね、‥‥とっても!」
かなめは子供のように白い歯を見せて笑う。
「そうか、それは良かった。」
そう言った宗介のへの字口が僅かに綻んでいた。
「‥‥でもなんか悪いなあ~。 独り占めしたかったんじゃないの?」
足場の悪いところを歩いており、かなめは少しよたついてしまった。
前のめりになったところをすかさず宗介が支え、顔をあげると丁度彼と眼が合った。
そして眼を合わせたまま、至ってマジメな面持ちで宗介は言う。
「いや、ここを見たとき先ず君に見せようと思った。」
「え?!ど、どおして‥‥?」
何の準備も無いところに、宗介が唐突に振るものだから、かなめは一気に動揺してしまった。
動揺を鎮めようと、世間話を振ったのに、全く逆効果だ。
「‥‥喜ぶと思った。 それに、君にふさわしいと思った。 ‥‥さっき確信したがやはり、その‥‥思ったとおりだった。」
宗介はそれに「良かった‥‥」と小さな声で付け加えて後はムッツリと黙りこくった。
どうやら彼も先程のかなめの水との戯れをしっかり心に刻んでいたようだ。
‥‥繋いでいる彼の手が熱い。かなめの頬も、熱い。
陸地までもうあと数歩。浅くなるほどに日差しを浴びてぬるくなる海水を足元に感じる。
それは若しかしたら自分達の熱のせいなのでは無いかと、そんな錯覚をしていまいそうだった。
「‥‥‥‥」
一旦止まってしまったお喋りは、なかなか再開のきっかけが掴めないでいた。
先程かなめが見捨てて来た、盆踊り会場のような船にはアレほどガッカリしたというのに‥‥
いざ『こういう雰囲気』になると、もうどうして良いのか分からなくなるのだ。
もはや借りてきた猫、何時もの威勢の良さはどこへやら、である。
今自分はどんな顔をしているんだろう‥‥?
心臓の音‥‥聞こえたらどうしよう‥‥?
そんな事を考えると、急に何もかもが恥ずかしくなってしまって。
――パシャン‥‥!
かなめは突然陸地を目指して駆け出した。
「‥‥?!待て千鳥!!」
すかさず宗介が叫ぶ。手も伸ばしたが届かない。
「いやよ!! こんなキレイなところでハシャがないのは勿体無いんだもん‥‥!」
かなめは振り返りもせず、軽やかな足取りで海面に小さな波紋を作っていく。
「‥‥それは結構な事なのだが‥‥、 しかし待て!!」
「やーーーーーよ!!!」
宗介はなんとか足止めしようと努めるが、彼女の悪ノリは止まらない。
宗介を振り返り、悪の帝王の様な顔でかなめはせせら笑った。
「‥‥ふっ! この島をあんたより先に征服してやるんだから!!悔しい?悔しいでしょう?! ふはははっ!!」
「‥‥いやしかし‥‥」
「ふふん! その上この島に素晴らしい名前をつけてやるわ!!‥‥アルゼンチンバックブリーカー島ってどう? イカすでしょっ?!!」
「駄目だ。」
「早っ!! くっ何故よ!!」
間髪いれず宗介が応え、かなめは悔しそうである。
「長い。 それに何故かそこはかとなくバイオレンスな雰囲気を漂わせているぞ‥‥、
いや、それよりも良いから止まるんだ、頼むから止まってくれ千鳥‥‥」
いよいよ大量の汗を額から流しながら宗介が懇願するのだが。
「そんなこと言っても、もう駄目よっ。 ついにあたしが先に上陸しー‥‥!」
かなめは両足をついに雪白の陸地へと踏み下ろした‥‥のも束の間、
「あづいいいいいいい!!!」
つんざく様な悲鳴をあげて、かなめは飛んで浅瀬の中に戻ってきた。
強烈な日光に晒された岩を踏めばそれはそれは熱いはずである。
「だから言ったのだ。」
「うううう、早く言ってよ‥‥」
かなめは足の裏がまだヒリヒリしているので、ヒョコヒョコ足踏みしながら涙眼で抗議する。
「それにしても君らしくない不注意だ。 一体何を動揺しているのだ? 」
「えっ‥‥ 」
ぎくりとしてかなめが口ごもる。 ただの照れ隠しだなんて、言えない。
「‥‥あ、あたしってほら、何だか急にハイになる時があってね‥‥! そういうお年頃なのよねっ! うは、うははははっ‥‥」
すると宗介は途端に青い顔をして、そして恐る恐る呟いた。
「千鳥‥‥それはまさか、何か危ない薬を‥‥‥‥」
「なわきゃないでしょっ!!」
至極失礼なカンチガイをかなめが突っ込んで一掃した。
肝心の宗介はとんでもない事を言っておいて、次の時には何も無かった様に肩に担いでいた荷物をごそごそ漁り出すのだった。
「‥‥常に足元も保護しておく事を推奨するぞ。 本当はもっと強度の高い物が好ましいのだが‥‥」
そう言って、イカ釣り漁船に放り投げた筈のかなめのサンダルを取り出して渡した。
ちらりと彼の足元を見ると彼の靴は、コンバットブーツだ。
「持ってきてくれたの? ‥‥ありがと。」
何時に無く気が利く彼に驚いてか、かなめは素直に礼を言って、サンダルを履いて陸に上がった。
*****
どこか目的地があるようで、かなめの半歩先を宗介は黙々と歩いていた。
彼について歩きながら、かなめは改めて、その島の正体を肉眼で捕らえる。
島はどこを見ても真っ白な岩壁がなだらかに広がっていて、
ところどころに隆起した山や谷の地形が、個性的なオブジェの様だ。
「‥‥へぇ~~。」
一体何が起こるんだろう?! 眼に映る全てが彼女の好奇心を掻き立てて止まない。
何もかも新鮮だった、この海も、この島も、先を歩く宗介も‥‥。
よくよく考えたら、宗介の背中を見ながら歩くことは珍しい。
何時も彼はかなめの半歩後ろを、いや、近頃は隣に並んで歩いている。
そんな事を思いながら、かなめはぼんやりと、宗介の背中を見つめていた。
広くて大きくて。 それはきっと暖かいのだろう。
――何時も自分は、この背中に守られているのだな‥‥。
唐突に胸を幸福感が支配した。 何だかもう今、嬉しくて、楽しくて、たまらない。
「‥‥ソースケ!!」
気付くと、かなめは半歩踏み出し、勢いで宗介の腕に飛びついていた。
「む‥‥?」
「‥‥ねえっ、これからどこ行くの?!」
悪戯っ子の笑顔でかなめが訊ねる。
「す‥‥直ぐそこだ、そこのふもとだ。」
宗介は努めて冷静な声色で言う。そう、何事も無かったかのように。
‥‥それは彼なりの『背伸び』というヤツだった。
どうも今日の宗介からは、『自分がかなめを引っ張りたい』という風な強気な意志が垣間見えた。
そう思うほど、彼は彼女のはしゃぎ様に大満足で、少しばかり得意になっていたのかも知れない。
ただ、額から流れる滝のような汗が全てを物語ってしまっていたが。
「じゃ、ゴーゴー!! 早く行こ!!」
「ひ、引っ張るな千鳥、そもそもそっちじゃないぞ」
かなめにグイグイ引っ張られながら、宗介は汗をダラダラたらしていた。
まあ結局のところこうなるのだが‥‥。
続く
宗介と別れ各々の自室に戻った後、かなめは簡単な晩ご飯を作って食べた。
だけど何だか、胸がイッパイで、喉を通ってくれなくて‥‥それを平らげるのに随分苦労した。
それから何気なくテレビを点ける。
ブラウン管にはかなめの好きな野球選手が写し出され、彼は何やら雄弁にインタビューに応えている。
かなめは一応その映像に興味を示そう‥‥としたが、放映の内容が何も頭に入ってこない。
やがて画面は移り変わり、情報がかなめの耳を右から左へ、次から次へとただ流れていく。
覚えているのは『お天気コーナー』のみ。
(やっぱり明日は晴れ‥‥)
無意識に顔がほころんで、また胸がイッパイになる。
なんだか心許なくて、手近にあった『ボン太くん』人形をぎゅぅ~~~っと抱きすくめた。
(‥‥どうしよう、どうしよう、どうしよう‥‥!!)
何が?という答えはなく、ただただ頭の中を『どうしよう』が行ったり来たりしていた。
「‥‥‥‥どうしようっ‥‥!!」
今度は口に出して言って、ソファーの上でごろりとひっくり返ってうつ伏せになった‥‥
かと思えば、またしても裏がえって今度は天井を見つめ、かなめは唐突に叫ぶ。
「‥‥あーっもうっっ! 情けないっ!! 何動揺してんのよお!!」
先程から言う事を聞かない自分の身体や心に、なんだか少し腹が立ってきていた。
「なによっ! たかが戦争ボケの一人や二人や三人や四人!! あんなのが何人束になろうとこのあたしの敵じゃないわねっ!!
あたしを少しばかり惑わせたからっていい気になるんじゃないってのよチクショー!!」
ワケのわからない虚勢を張り始めた。
ちなみに今かなめは天井に向かって話しかけているが、その方向には誰も居ない。
「落ち着くのよあたし、何てこと無いわ、そうよ。 そう、たかがデート、デート、でーと‥‥‥‥‥‥‥‥」
‥‥D・A・T・E‥‥!!!
突然かなめの脳内のタイプライターが壊れた様にしつこくしつこく英語の4レター『D・A・T・E』を打ち出し始めた。
「い、いや~~~っ!!!」
かなめは唐突に黄色い声をあげ、ごろんごろんと転がりだす。
「デートって‥‥! あいつデートって!! 話したいって、一緒に居たいって!! あの朴念仁がっ!! あのキング・オブ・ミリタリーヴァカがっ!!」
酷い言い様で騒いでいたが、その顔は満面の笑顔だ。
かなめはごろごろしたりジタバタしたりボン太くんをつねつねしてみたり、大忙しの様子だ。
「どーしよーーーーっっ!! って、うわっ‥‥」
――ドスン!
「‥‥あいたぁっ!!」
鈍い音を伴ってかなめはソファーから転がり落ちた。
まあ、狭いソファーでごろんごろんやれば、転がり落ちるのは当然の顛末であろう。
かなめは腰を思いっきり打ちつけ、暫く声も出せなくなっていた。
が。
「‥‥ふふふふふ。 ふふ。」
ソファーの下から突如、声が漏れた。
かなめが笑っている、ソファーから落ちたのに、笑っている‥‥。
(ちなみに頭は打っていない)
「ふふふ~~~♪‥‥‥‥ふふっ‥‥」
ソファーの下に落っこちたまま、抱いていたボン太くんをもう一度ぎゅう~~っとして顔を埋めた。
髪の毛の隙間から覗くその頬は真っ赤だった。
「‥‥‥‥ねぇボン太くん。 明日は一体どうしてくれるの‥‥‥‥? 」
*****
「どーーーしてくれんのよっっ!!!」
ポンポンポンポンポンポン‥‥
「なにがだ? 千鳥?」
ポンポンポンポンポンポン‥‥
「なにがじゃないでしょ!! これで一体これから‥‥」
ポンポンポンポンポンポン‥‥
「‥‥だぁー、もうっ! ポンポンポンポンうっさいわね!! 兎に角よソースケ‥‥この文字を読んで御覧なさい」
かなめは頭上にたなびく布を指差して言う、なにやら書いてあるようだ。
「‥‥何故だ? おかしな事を言うな、君は」
宗介は小首をかしげて怪訝な顔で返す。
「いーから、読みなさいっ!!」
「第四強運丸」
「そう、第四強運丸よ。 つまりなに?!」
「船名だが?」
事も無げな物言いがかなめは少し悔しくて悪態をつく。
「くそっ、いけしゃーしゃーと‥‥。 つ・ま・り・漁船よ漁船、しかもっ!」
かなめはビシッと人差し指を差しだした。その先に電球がズラリと並んでいる。
「イカ釣り漁船じゃないこれーーーーーーー!!」
そういったかなめの声が青空に高らかにこだました。
――そうココは船のデッキ、二人は今関東沖の海の上に居たのだった。
その日宗介は朝早くに迎えに来て、かなめはされるがままについて行って今に至る。
心なしかまだ、かなめの叫びがエコーしている。やがてそれが聞こえなくなった頃にようやく宗介は応えた。
「そうだが。 何か?」
またしても何事も無かったかの様な顔で言うので、かなめの興奮もいよいよ冷めた。
「いや‥‥だから、これからどうすんのよコレで、銚子にでも行きたいの? あんたはあたしとイカが喰いたかった訳‥‥??」
かなめがイカをおびき寄せる為とおぼしき電球をコツコツと小突きながら言う。
「それは誤解だ。 この船は間に合わせだ、話しが急だったのでな。」
思いの外、さも意外そうな顔で宗介は否定した。
「‥‥そ、そうなの? 良かった‥‥。 でどこに行くの?」
若しかしたらちょっとビックリするようなところに連れて行かれるんじゃないかな‥‥という予想はかなめにもあった。
宗介のやる事だから。 だから大抵の事は眼をつぶろうと思っていた‥‥が、 『初めてのデートで本格的にイカ釣り』 それは正直無い。
だから心底ほっとした様子でかなめは訊いた。すると宗介は何故か、コメカミあたりから汗を一筋たらして口篭る。
「うむ。 まあその、なんだ。 ‥‥着けば分かる。」
やっと口を開いたかと思うと、なんとも曖昧な返答が返って来た。
「‥‥? ふーん?」
*****
ポンポンポンポンポンポン‥‥
漁船は今時珍しい古いタイプのエンジンを載せており、その為絶えず特徴的な音と、輪っかのような煙を出していた。
「にしてもマヌケな音ね‥‥」
デッキの淵に腰掛けてかなめが感想を述べる。
すると、宗介は操縦席から返事を返す。
何時何処で手に入れたのか、正式なものか不明だが船舶免許を持っているらしい。
「そんなことはないぞ、こうやって聞いていると、士気を上げんとする味方の鼓舞のようでまるで‥‥」
「‥‥ま、いーわよ。 で、ところでこの船どうやって手に入れたの? 」
宗介の話の方向が読めたため、話も半ばにかなめが割って入る。
「クルツだ。 奴が江戸川区に居たときの知り合いの伝手らしい」
「あんにゃろ‥‥‥‥」
ちらりと船内を一瞥すると、電球だの良く解らない設備だの‥‥まあ兎に角シュールな光景が広がっていた。
かなめはなるべくそれらを視界に入れない様努めていたが、どうにもならないこの音‥‥。
(ムードなんてあったもんじゃないなあ‥‥。)
かなめは溜息をひとつ、つこうとしたが、隣に居る宗介の表情を見て思いとどまった。
それから思い切り背伸びをして、その全身で風を感じた。
「うーん‥‥。 気持ちいい~」
贅沢を言わなければ、青空も日差しも風も最高だ。
「晴れてよかったなあ~」
その空のように晴れやかな表情でかなめが言う。
「そうだな」
宗介も同意して呟いた。
かなめからは横顔で、しかも日差しが眩しくてハッキリ見えなかったけれど、その時の彼は嬉しそうに見えた。
続く
良いですよねおんぶ!おんぶは自分の中で五本指に入る萌えシチュエーションです。(笑
>ポニョ
うわあ。お忙しそうな折にわざわざご親切に有難うございます。
でも実は来週あたりの安くなる時に行く予定がついに立てられまして!
教えていただいたのにスイマセン;折角ですので冒頭だけ見ましたが、とてもワクワクしました♪
そちら様も時間が取れると良いですね。ほんとに有難うございました。
>何げに独占欲まるだしの軍曹が~
拝読&感想有難うございます!ちょろっとしたSSですが拍手頂けて喜んでます♪
おっしゃるとおり、要は『俺の千鳥』的な軍曹さんが書きたいな~~とか思ったのですよ!(笑
普段はクールな人が秘める独占欲とかそういうのはハンパじゃなさそうですよね、特に軍曹さんはあらゆる手段で・・・・!(何だ)
>次回新作ss楽しみに~
おおっ有難うございます!私はSSの方はホントにマイペースにしか書けないんですが楽しみにして頂いて居る方の存在をありがたーく胸に刻みますね!;
ご声援有難うございました、もしも何かこういうのが~というのがあれば遠慮なくどうぞ!
>釣り人と仔猫の後編の更新も~
うっ・・・!本当に有難うございます、そして本当に更新の間隔をあけてしまった事を心からお詫びします;
非常にじっくりゆっくり書いてたりしますので、気が向いたときにまたどうぞ遊びにきてあげて下さい;
拍手どうもです、がんばりますね。
8/3
>お節介かもしれませんが~
お節介などとんでもありません、わざわざ気にかけてくださりまして感謝いたします。
恭子ちゃんの漢字間違いは、あーもう、本当に致命的ミスでした;失礼たしました。
オノDですが、えーと前半部分はオノDがパロディーで昔の漫画の真似をしてるってネタなので宗介の呼称は敢えてああなってます。
パロなのでサラリと流したくて、特に説明もなくスイマセン;
文章中ほどの、「おーおー相良くん~」みたいなとこは、なんと言いますか原作の「身勝手なブルース」のオノDのノリを借りてああしてます。風間君の事も君付けしてますがそれも同様です。
一応ネタ以外の部分や正しく書いていたので、大丈夫かな~と思ってたんですけど、他の部分はオノDの発言かどうかが不明な感じですね;
紛らわしくてごめんなさい。今後の参考にさせていただきますね。
>今だけかなめになりたい~
拍手絵の感想どうも有難うございます。
同意です!(笑)私も原作とか読んでいて千鳥さんになりたいなあ~と強く思うことが多々!
なりましょう、是非なりましょう!・・・夢とかで!
>軍曹さんの背中で眠るなんて羨ましい…
千鳥さんは幸せ者ですよね。いいなあいいなあ、羨ましい!
軍曹さんの背中は・・・ちょっとゴツゴツしてそうですけど
ちょっと火薬の香りとかしそうですけど、広くてあったかいのですよ!
だからもう寝心地が良くて夢なんか見ちゃえばイイと思います。いやあー幸せの極みですね~。