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今朝は出掛けに会い、アイツから声をかけて来たが、
「偶然らなちろっ・・・ぐっ」
第一声からかんだ。
ミス・低血圧のかなめにはその緩い挨拶に突っ込む気力などない。
盛大な溜息を一つしたのち、行くわよ、とだけいい歩き出した。
その後もチラチラと物言いたげにかなめを伺っては、
決心したように息を吸い込んで何か言おうとしていた。
が、結局 「いや、なんでもない」 を繰り返し、
その後は終始むっつり顔で並んで歩くだけだった。
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(絶対なんか隠してる!)
朝のぼんやりした思考下ではそれ程重大な事と捉えてはいなかったけれど、今思えばやはりおかしい。
何か隠してる、というより何かを伝えようとしていて躊躇しているのは明らかだ。
(・・そんなに言いにくい事って・・・・)
一瞬ある日見た家主の居ないアパートの一室が脳裏に浮かぶ。
(まさか・・・・、もうそんな事は・・・・・)
違う違う、と一心に先程の映像を振り払う。
もしかしたら自分に関わる懸案だろうか・・
いや、それよりも、彼自身とても危険な任務にでも行かなければならなくなってしまったんじゃ・・・
・・・でも良い知らせかもしれない
そうだ、悪い事とは限らない。
ああもう、どうしてこうも悪い事ばかり思い付くのだろう。
・・・でもアイツのあの思い詰めた様な表情は一体・・・?
・・・
・・・・・・
・・・・・・・
(んもー・・・・・・!)
不安は徐々に苛立ちへと変化していった。
それはもう端から見て明らかであった。
「う、うわー、もうめっちゃくちゃに怒ってる・・・!早く謝った方が良いんじゃないオノD?」
「だ、だから俺が何をしたってんだよ~!!」
(大体何だってのよ!?
なんでこんなに心配しなきゃいけないわけ?!
なんなのよアイツはいっつもいっつもいっつも・・・
人の気も知らないで何時も・・・アイツは・・・)
「あーーもうっ!!」
唐突に顔を上げ煮詰まったかなめが叫んだ。
すると
「大丈夫か千鳥!?」
「かなちゃん平気?!」
「うわーー!千鳥!暴力反対!」
数々の言葉が跳びこみ、初めて自分の周囲の光景が異様だと知る。
青ざめて怯えるオノDこと小野寺孝太郎、心配そうに見つめる恭子、
そして正面にはいつの間にかアイツが、
ザンバラ髪にむっつり顔の相良宗介が立っていた。何やら怪しいビンを片手に・・・